仮定法(前編)


仮定法ってなんか嫌なイメージありますよね。

しかしやりましょう、仮定法特集です。 探してみるとこれがまた結構な数で出てきますので学校で勉強しても損のない項目だと思います。

仮定法が多いマンガといえばやはり「デスノート」だ。「私がキラならこうする」、「いや、僕がLなら…」とまあこんな調子。仮定法に限らずIF構文がこれでもかと詰め込まれている。まあそもそもセリフが他のマンガに比べてケタ違いに多いのだけれどね。ともかくIFを勉強するならこのマンガがオススメだ。


I wish , I were a bird.

【仮定法過去】

一番よく見かける仮定法がこの仮定法過去。
何が「過去」なのかというと「使ってる単語が過去形だ」という事だ。スタイルが過去形なだけであって意味的には現在なのである。つまり「仮定法過去」という名称は見た目で判断してつけられた名前なのだ。なんでもかんでも見た目で判断しちゃいけないよ…。

そして特徴としては前述の「意味的には現在である」という事に加えて「言っている出来事は起こっていない」という事。平たく言うとウソである。仮定法はすべからずウソ

嘘はつくわ見た目で判断するわとなかなか畜生なナイスガイ、それが仮定法過去だ。


【仮定法過去を作ってみよう】
 仮定法過去は作り方を覚えてしまうのが一番良いと思います。作り方さえマスターしてしまえば「この方法で作れないものは仮定法じゃない」と判断出来るのですよ。とりあえず何でもいいので自分で1つ作ってみるのが手っ取り早いです。 まず、先頭に「 If 」をつけます。

  ■ If −−−−

次になんでもいいので文を1つ入れます。「This is a pen」でも「I play volleyball」でも構いません。完全な文を入れてください。「My name is」とか途中で止まってるのはダメです。「breakfast」とか名詞だけをポンと置いとくのもダメです。思いついたものを入れてみましょう。

  ■ If this is a pen−−−

次にカンマ( , )をつけます

  ■ If this is a pen , −−


そしてまた文を1つ入れます。但しこっちには条件が1つあります。「助動詞」が絶対に必要です。「I can speak English」でもOKです。何も思いつかない人はとりあえず文を作って「will」でも付け足してみましょう。「I will go to shopping」。こんなんでいいです。

  ■ If this is a pen , I can speak English


そして最後の仕上げです。2つの文を両方とも過去形にします。

  「 This is a pen 」 → 「 This was a pen 」

  「 I can speak English 」 → 「 I could speak English 」


最後にピリオドをつけて完成です。ヤッター。

  ■ If this was a pen , I could speak English.


意味は「これがペンなら私は英語が話せるのになあ」となります。頭がおかしくなったワケじゃありません。意味なんてどうでもいいんです。まずは作ってみることです。



【以上をふまえた小難しい基本文法の説明】

(1)だったら、(2)なのになあ
まずこんな感じで2つに分かれます。

(1)は「 If + 主語 + 動詞
必ずIFが先頭に付きます。

(2)は「 主語 + 助動詞 + 動詞
絶対に助動詞が付きます。助動詞はたいていwouldが使われます。


そして2つの文は両方とも必ず過去形になります。

特に(2)の文は必ず助動詞の出番があるので、過去形になるのは必ず動詞ではなく助動詞。動詞が過去形になる事はありません。

ごちゃごちゃ書かずに見たほうが早いですね。まずは極シンプルな仮定法過去。


夜神さん…私がキラだったらあなた死んでましたよ

If I was KIRA,you would be dead...Yagami-san.

(夜神さん…私がキラだったらあなた死んでましたよ)

 

シンプルですねえ。はい、おさらいです。要点は5つ。

<<意味は現在>>
訳文が過去っぽく見えますが現在です。

<<ウソ>>
Lはキラじゃないし局長も死んでないので言っている事はウソです。

<<If + 主語 + 動詞>>
If I was KIRA (私がキラだったら)

<<主語 + 助動詞 + 動詞>>
you would be dead. (あなた死んでましたね)

<<過去形>>
was と would がそれぞれ文を過去形に変えています。


自分がキラだったら自分を捕まえようとしてる人達を消そうと試みますよ

If I were KIRA,I would try to get rid of the people who were trying to catch me.
(自分がキラだったら自分を捕まえようとしてる人達を消そうと試みますよ)


続いてこのコマです。右のセリフが仮定法過去です。

このセリフも前と同じくウソで意味が現在で文法が2つとも過去

しかし一点だけ大きく違う点があります。先ほどのLのセリフではwasが使われていますがこのコマではwereが使われています。

はい、ここでルール説明です。(1)の文でwasが出たらそれはどんな主語でもwereに直せというよくわからんルールが仮定法過去にあります。ありますが最近はwasが好まれると書かれている書物もちょくちょく見かけます。つまり、どっちでもオッケーなんじゃネーノ?というのが私の考えです。学校でどう教えているのかはわかりませんけど。けどまあ確かにwasも見かけるが割合的にはまだまだwereが幅を利かせているように感じます。


自分が親だったらお前に自分の子供はまかせられねーよ キラじゃなくてもこの展開は目が離せないって


また、仮定法はお願い事にも使えます。「お使い行ってきてくれたらうれしいのになー」みたいな少し独り言めいた仮定法で頼み込むのです。これもやっぱりまだお使いには行ってもらってないし今現在は嬉しくもなんともないのでウソです。


お前がミヨシグループを選んでくれたら嬉しいんだけどなあ お前がよければ俺の代わりに今日のテストを受けてくれたらスゲー嬉しいなー、なんて




最後に少しめずらしい用法を。「へえ、こんな使い方もあるんだ」と少し感心した。

If I had to pick ... blue,I would say.
(強いて選ぶとしたら…青かな)


強いて選ぶとしたら…青かな







【wish型仮定法】

仮定法の中でもかなり特殊な文法だと思いますが、あの例文のおかげでかなりの日本人が使用法を知っているというこのwish型仮定法。

意味は「〜ならいいのになあ」という感じの願望とあきらめを表しています。 意味はやはり「ウソ」であって「現在」であります。


【wish型仮定法を作ってみよう】
先ほど作りました仮定法過去の例文を再利用します。ただし後ろの部分は使用しません。

  ■ If this was a pen , I could speak English

先頭の「If」を「I wish」に取り替えます。これでおしまいです。ヤッタネ!

  ■ I wish this was a pen.


意味は「これがペンならいいのになあ」という感じですか。 また、先ほどの仮定法過去の前半部分を使いましたので「was」を「were」に変えるというルールはここでも健在です。ですのでここは「I wish this were a pen.」でも可です。というより普通はこっちですかねやはり。


私が鳥ならいいのに


ここで少し仮定法過去の話に戻ります。

  ■ If this was a pen , I could speak English.

この仮定法過去、後半には助動詞が必須ですが。前半部分は助動詞を必要としません。しかしただ必要ないだけであって助動詞をつける事は一向に構いません。

何が言いたいのかというと、このwish型仮定法は仮定法過去の前半部分を使うクセに助動詞が付くことが大変多いのです。特に「私も〜出来たらいいのになあ」という感じで使われる「can(過去形に直るからcould)」。wishとの相性は抜群です。


自分の気持ちを彼に伝えられたら…


はあ…大佐も早く来てくれりゃいいのに




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