Can


おそらく日本人が一番最初に学ぶであろう超おなじみの助動詞。それだけにどの世代の日本人でも「I cannot speak English.」だけは言えるという…。私も遠慮なく使いたいと思ってますけどね。

さて、canの用法は4点。canが文章上に現れてもどのcanとして分類すべきかというのは結構わかりやすいので、やはりなじみやすい助動詞であると言えるでしょう。

それに比べるとcouldはまさに地獄である。



現在
過去
推量
( 可能性 )

can
〜することもある
could
〜することもあった
否定推量

can't
〜のはずがない

can't have been
〜だったはずがない
能力

can
できる
could
できた
許可

can
してよい
could
してよかった
頻出文

How can 〜?
どうやって〜やるんだ?

How could 〜?
どうやって〜やったんだ?

※couldはcouldの項で解説します。


① 【 推量(可能性) 】 〜することもある。

If you hiccup the whole day , it can kill you.
(しゃっくりがずーっと続くと死ぬこともある)


推量のcan。だが「〜することもある」と訳すように使い方は他の推量とは一線を画す。よって厳密にはこの用法は「推量」ではなく「可能性」と呼ばれているようである。

しかしまあkill youとはまた物騒なお話で。




② 【 否定推量 】 〜のはずがない。

That can't be true.
(なわけねえだろ)


否定のcan'tになるとこれはもう正真正銘の推量である。しかもmust級の確信度を持った強さをもつ。

肯定文ではあんなに自信がなさそうだったのに否定文は見違えるようにたくましい。

ともかく表の世界(肯定文)はmustが強く、裏の世界(否定文)ではcan'tが強い。




③ 【 過去の否定推量 】 〜だったはずがない。

He can't have missed his way.
(彼が道に迷ったはずが無い)


まずは一番上の表を良くご確認いただきたい。殆どが「 現在 = can 」で「 過去 = could 」である。つまりcanの入った文を過去形にしたい場合はただcancouldに変えてしまえばだいたいオッケーという事になる。

ところがそうならないのが②の否定推量can't。これをcouldn'tに変えるとどうなるか。実はこうしても時制は過去にならず意味は全く変化しない

よって過去形にしたい場合、ここだけはcan't have beenにしなければならない。couldn't have beenでもよい。これも同じく意味は変わらない。

表の番長must〜に違いない)の過去形がmust have been〜だったに違いない)なので裏の番長can'tの過去形も同様に処理する。こう覚えとくといいかなあ。

(現在)must → (過去)must have been
(現在)can't → (過去)can't have been

残念ながらマンガ内ではこれの用例が見当たらなかったので、仕方なく参考書からの引用となっている。


④ 【 能力 】 〜できる。

I can ride him.
(私、乗れますよー)


能力のcan。可能のcanとも呼ばれ厳密には2つ意味を持つ。

私は体格的に忠吉さんに乗ることができる」という意味(能力)と「私はまだ子供なので世間的に考えても忠吉さんに乗って遊ぶような事が許されている榊さんは恥ずかしいからそんな事は出来ないよね)」という意味(可能)の2つの意味で捉える事が可能である。

後者なら相当ブラックなちよちゃんである。


⑤ 【 許可 】 〜してよい。

You can call me "Mr.Kim-kims"if you like.
(私をキムキムと呼びたいなら呼んでいいんですよ)


許可のcan

mayと概ね使い方は同じだが基本的にmayは権限を持っている人間が使うものなのでなるべく使用は控えたほうがよい。

Can I borrow your glasses ?
(メガネ貸して〜)

Can you take my picture ?
(写真取ってくれませんか?)


疑問文のcan

主に許可を得るために使用されるが「Can you speak English ?」のように能力を聞くこともできる。

このように相手にも自分に使え、さらに意味までもが多彩であるcanの疑問文であるが直感でなんとかなる場面が多いのでそんなには難しくないはず。


⑥ 【 頻出文 】 How can ( could ) 〜?


How can ( How could ) はマンガでもよく見かける。使い方をぜひ覚えておこう。

簡単に言ってしまうと「どうやって〜をやるのか」というようにやり方を教えてもらう時に使用する。 How couldも過去形で「どうやって〜をやったのか」という感じなので正直言ってほとんど同じである。なのでここは両者を一緒に扱います。



How can I learn to swim as good as you ?
(どうやったらよつばちゃんみたいに泳げる?)


How can she play it at this tempo ?
(どうやってこいつはこのスピードで弾いているんだ?)


主語がなら自分がやるやり方を、自分以外が主語ならその人がやるやり方を聞くことになります。



…と、ここまで書きましたが実はこの意味で使われる事は相当少ないです。以下のコマはどうでしょう。



How could you break my other heart !?
(どうやってもう一つのボクの心を壊したのですか?)

How the hell could you let yourself get kidnapped !?
(一体どうやって誘拐されたんですか?)

How can they make Beethoven sound so bad ?
(どうやったらこんなにベートーベンの曲をひどく出来るのですか?)


この訳で何が言いたいのかお分かりでしょうか。

そうです。これらは別にやり方を聞きたいわけではなく「あきれている」のです。

ですのでこれらは「何を考えて〜」とか「よくまあそんな事を〜」など訳すのが正しいです。







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