Could


助動詞界の中ボス、かなり難しいです。自分自身もあんまりマスターしているとは思えません。

難易度が高いワリにものすごい出現頻度。「couldcanの過去形」という知識だけでマンガに立ち向かうと悲惨な目に遭います。例えば先ほどクリックしたにゃも先生のセリフは「canの過去形」という考えだけでは絶対に翻訳できません。心してかかりましょう。

用法を大きく分けると3つですが、出現するcouldのうち6割くらいが「④仮定法」として使われているように思えます。

分類方法は以下の通りとなります。



現在
過去
事実 / ウソ
推量・能力・許可

can
できる等

could
できた等
事実
推量

could
かも

could have been
だったかも
不明
仮定法過去/過去完了

could
(〜していない)

could have been
(〜しなかった)
ウソ
(未実行)

※couldの位置が重要。②と③は「現在」に来ている。


① 【 canの過去 】 〜できた。〜が許されていた。など

I could do this when I was a student.
(学生の頃は出来たのよ)


canの文章を過去形にしたい場合はcouldに変えてしまえばたいてい通じます。このように過去形が過去形としてまともに機能するのはこのcouldだけであり大変優秀です。

【能力】(〜ができた)
【推量】(〜となる事もあった)
【許可】(〜が許されていた)

couldとwas able toの違いもあるようですが私は読む側の人間なのでどうでもいい事です。




② 【 推量 】 〜かも。

It could be a trap !
(罠かもしれないぞ!)


推量のcould

推量のクラスとしてはかなり弱くmayと同レベル。主語がitの場合が多いかな?

後述する仮定法との区別が難しいが読み違えてもせいぜい「(今はそう見えないが)罠になるかも」であり物語の進行には特に影響はきたさないと思う。




③ 【 仮定法過去 】


couldのメイン用法である。

この仮定法couldを翻訳するには少し頭をひねる必要があります。まずは状況の把握からです。実はこれが含まれている文章にはとある状況が一致しています。 コレ重要です。それは

出来るけどしていない

という状況。Iが主語なら「自分は〜出来るけどしていない」。youなら「あんたは〜を出来るけどしていない」という状況。しかしこれだけでは不足であり、このように訳してしまうとバツである。ここからもう一歩進む必要があります。それは

出来るけどしていない、だからどうなんだ」という事。ここで初めて翻訳が完成します。

出来るけどしていない、だから  やろうぜ


We could make america "chiyo-chan's country"!
((出来ることなら)アメリカをちよちゃんの国にしよう!)



出来るけどしていない、だから  やってくれ


You could give me a few pointers ?
(あなたはやっていないけど出来るのならば)コツを教えてくれないか?)

※疑問形Could you〜?の正体はこれ。仮定法なのだ。



出来るけどしていない、だから  すごくやりたい


I could say the same thing.
(同じセリフ返してやるわよ)



出来るけどしていない、だから  そうなりそう


It could start thundering at any...
(雷が鳴り出しそうな…)


※実はこれは推量(しかも未来)に分類されるのだけれど私はここに置きたい。



出来るけどしていない、だから  なんでしねーんだ


You could at least let your mom know you're okay !
(とりえあずはお前が無事だって事を母親に知らせる事だってできるじゃねーか!)




以上です。どうでしょう、重要な事は「やってない」という事だと思います。あとはアドリブでさばくしかありません。…てかまあ実はここに挙げたcouldは全部「can」に置き換えてもおおむねの意味を読み取る事が可能なんですけどね。わからない時はそうしちゃってもいいかもしれません。

とにかく「やってない」という事がすなわちウソであり仮定法であるゆえんです。

I could eat maybe half of that.
(食べないけど)食べられるとしてもせいぜい半分くらいやなー。)




④ 【 過去の推量 】 〜だった可能性がある。

Higuchi could have committed suicide ...
(火口は自殺した可能性もある…)


②の推量を過去にしたもの。例の半歩下げて一歩下がったものとみなすアレです。

やったかどうかが不明なところが⑤の仮定法過去完了と異なる。つまり火口が自殺したかどうかがよくわからない。

may / might have beenとの違いはあるのかな?よくわからん。




⑤ 【 仮定法過去完了 】 〜できた。(けどしなかった)

If you'd been smarter , this could've gotten interesting.
(お前がもう少し賢ければ 面白くなったかもしれないのに。)

The only way I could have stopped the notebook from getting
into kidnapper's hands was to kill dad and sayu.
(犯人にデスノートが渡るのを阻止できた唯一の方法は、父と粧裕を殺す事だった。)


⑤仮定法過去完了

③の仮定法過去は「出来るけどしていない」とし、少し頭をひねれと説明しましたがこの仮定法過去完了は頭をひねる必要はありません。「出来たのにしなかった」とそのまま訳してオッケーです。

しなかった」のが確定事項であるところが④の過去の推量と異なる。








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