「maybe」という単語があるようにmay・mightという助動詞はなんかイメージ的に「~かも」みたいなあいまいさが先行しますが、実際の用法はかなり違います。 mayは現在形であり、mightはその過去形なのであるがこの2者の用法用量はほとんど同じです。続柄の上下はあるもののほとんど違いが無い…すなわちこれは双子ってわけです。いうなればマナカナ。 この2者の異なる点はmightには【許可】の意味がないというところくらいですか。 |
may might |
may have been might have been |
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may - |
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may might may as well might as well |
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may - |
① 【 推量 】 ~かも。
He may even be able to forget about swords.
(剣術の事も忘れることが出来るかもしれない)
推量のmay。推量としてはかなり弱い部類に入る。 「出来るかもしれない ( can + may )」なんてもういかにも英語の授業で出てきそうな言葉ですね。 |
Oh no ! We might not make it !
(あー!間に合わないかもー!)
推量のmight。推量のレベルとしてはmayよりさらにほんのわずかに下らしいです。 私にはこの違いなんてわかりません>< |
② 【 過去の推量 】 ~だったかも。
If you hadn't tried a fake , it may have turned out differently.
(猫だましなんて手を使わなければ違う結果になっていたかもな)
mayの推量「~かも」を過去形にしたもの。may have beenとし「~だったかも」と訳す。 mayを過去形mightにしても時制は変わらない。だからこういう場合はhaveを付けて半歩下げる。 ちなみにこの文は仮定法過去完了に分類されるがmay have turnedはどう見ても現在完了形。例外って奴ですな。 |
You might not have noticed , but I studied hard for that P.E. test !
(みんな気が付かなかったかもしれないけど私はこの保健体育の勉強すごいしたのよ!)
過去の推量のmight have been。 使われ方はmay have beenとまったく同じ。強弱はあるのかどうかは知らん。 さて、このmay(might) have beenであるが実は使い方が2つある。そして上の2つの例文は使い方が異なっている。 一つ上のmayの例文とこの下のmightの例文を見比べてみましょう。どちらも日本語として「~だったかも」と訳せるので使い方は異なっていないのでは…と感じてしまうかもしれない。しかしこの日本語「~だったかも」も実は2つ用法を持っていて、そしてその2つの用法は英語と全く同じである。ちょっとした奇跡だ。 その2つの用法とは「過去の推量」と「仮定法」。 mayの例文「違う結果になっていたかも」は実際は違う結果になっていないので言っている内容はウソである。よって仮定法である。 だがこの智のセリフの「みんな気がつかなかったかも」はただの憶測であり実際どうだったかは不明である。 よって仮定法ではなく過去の推量である。 |
③ 【 許可 】 ~してよい。
You may choose any one of these.
(どれを選んでもよいです)
Excuse me , May I sit here ?.
(ここ座っていいかな?)
許可のmay。同じような用法にcanがある。 この用法でmightは使用できない。例えば上の文のmayをmightに置き換える、という事はできない。ただし疑問形「Might I ~」としての許可は時折使用される。よって下の文は(あまり歓迎されないが一応は)置き換えが可能である。 |
④ 【 容認 】 確かに~だ。
You may be inside , but you still might catch a cold looking like that.
(部屋の中だからってそんなカッコしてたらカゼひくぞ)
I might look like a cat , but actually I'm not.
(確かに私は猫に見えるかもしれないが、実は猫じゃない)
容認のmay ・ might。 実はこれがメインの用法である。 あずまんがにおいてもmay、mightはこの用法が一番多い。「確かに~だけどさー」というちょっと何か続きを言いたげな感じに容認をする。だから大抵この後にはbutが続く。 そしてここが重要なのだがこの場合、言っている内容は大抵事実である。この点が①の「~かも」と全然違うので注意が必要だ。 特に上の文「you may be inside」、これをちゃんと訳すのならば「お前は部屋の中にいるのかもしれないが」となるが、どう見ても部屋の中にいない可能性はない。よって推量として考えるのには無理がある。 そしてその事柄について誰が容認するのかというと話者本人であり文中には現れない。 |
You're here , so you might as well enjoy yourselves.
(ここに来たんだから遊んだ方がいいよ)
That sword ... you may as well leave it here.
(その刀…置いて行った方が身のためだぜ)
【容認】の一種で「~した方がいい」という意味である。さらに「~した方がまし」とも使え、「死んだ方がましよ!」のようにちょっときつい使われ方もする。 |
⑤ 【 特殊な用法 】 ~であれ。
May all the world live in peace and harmony.
(平和で調和のある世界でありますように)
お祈りなどに使われるmayでありmightは使えない。なぜかこのmayは文頭に来る。 「神のご加護のあらんことを」とかドラクエとかによく出てきそうだが日常ではそうは使わない用法であろう。 |